今回の助動詞は、「つ」「ぬ」です。
これらは、完了・強意・並列の意味を持っているのですが、
よく問われるのが、強意です。
これらの助動詞が強意の意味になるときは、
定番の形があるので、それを覚えてしまいましょう。
活用
助動詞「つ」「ぬ」の活用は、それぞれ未然形から順番に…
て/て/つ/つる/つれ/てよ
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね
と、活用します。
まさやん
今日は助動詞の「つ」「ぬ」をやっていこう。
小文君
今回の活用は覚えやすいですね!もう覚えちゃいましたよ!
まさやん
だんだん早くなってきたね!小文君!助動詞にも慣れてきたかな?
小文君
覚える事はたくさんあるんですけれど、活用・接続・意味に分けて覚えていくと、意外と覚えられるもんですね!
まさやん
小文君からそんなセリフが出てくるなんて!!感動した!!
小文君
小泉・・・いやいや先生、次接続行きましょう!
接続
どちらも、連用形の後に続きます。
書く+「つ」→書きつ
落つ+「ぬ」→落ちぬ
という感じです。
小文君
連用形接続かー。
まさやん
続いて意味だよ!
意味と訳し方
「つ」「ぬ」には、それぞれ完了・強意・並列の3つの意味があります。
完了→「〜た・〜てしまった」
強意→「きっと〜・必ず〜」
並列→「〜たり〜たり」
と、訳し分けます。
そして、特に重要なのは完了と強意です。
小文君
完了・強意・並列、あまり聞き慣れないですね。
まさやん
そうだね、この中で特に重要なのは、完了と強意だよ!
並列は、終止形が2回繰り返されて使われるんだ。
例えば、「浮きぬ、沈みぬ」とかね!
並列は、終止形が2回繰り返されて使われるんだ。
例えば、「浮きぬ、沈みぬ」とかね!
小文君
「浮いたり、沈んだり」ってことですね!
まさやん
その通り!じゃあ続いて、その重要な完了と強意を見ていこう!
まさやん
さあ小文君、「つ」「ぬ」が強意にになる時なんだけれども、これはひとつルールがあるんだ。
小文君
ルールですかー。覚えるの大変そう・・・
「強意」の意味の見分け方
「つ」「ぬ」の後に推量の意味を持つ助動詞が来ると、
「つ」「ぬ」は強意の意味になります。
まさやん
「つ」や「ぬ」の後に、「推量」の意味を持つ助動詞がくっつくと、「つ」や「ぬ」は強意の意味になるんだ。
小文君
「推量」の助動詞と言うと、「む」や「べし」ですか?
まさやん
そうだね。もちろん、本文中では必ずしも「推量」の意味になるとは限らないけど、ここではあくまで、「推量」の意味を持っている助動詞が来た場合ってことだからね。
小文君
う~ん、理屈で覚えるより暗記できちゃったほうが良いんだけどな・・・
まさやん
そう言うと思って、よく出てくる形を書いておいたよ!
次の8つは特によく見かけるから、しっかり覚えてね!
次の8つは特によく見かけるから、しっかり覚えてね!
てむ、なむ(連用形接続時)、つらむ、ぬらむ、
つべし、ぬべし、なまし、てまし
小文君
先生!「つ」や「ぬ」の後って言ったのに、「て」や「な」がありますよ?
まさやん
それは、「つ」や「ぬ」が活用した物だよ!ほら、もう1回活用表を見てごらん?「て」は、「つ」の未然形でしょ?
小文君
「て・て・つ・・・」あっ!ホントだ!!
まさやん
助動詞は活用するから、形が変わるっていうことを忘れないでね!
次は、訳しにくい「完了+過去」のパターンを見ていこう!
次は、訳しにくい「完了+過去」のパターンを見ていこう!
訳しにくい「てき・てけり」「にき・にけり」
「つ」「ぬ」が、過去の助動詞と結びついた形の時、
訳すのに苦労している人が多い様です。
小文君
これは・・・どういうことですか?
まさやん
例えば小文君、「文書きてけり。」って。なんて訳すかな?
小文君
えっと、「文」は「手紙」で、「書き」は四段活用の連用形、「て」は完了の助動詞「つ」の連用形、「けり」は過去の助動詞「けり」の終止形ですよね・・・。だから・・・
まさやん
だから・・・?
小文君
「手紙を書いたった!」
まさやん
なんだい??その不自然な日本語は!!
小文君
だって、完了は「~た」って訳すし、過去も「~た」って訳すじゃないですか。だからそのまま・・・
まさやん
君の頑張りは認めるよ(笑)
でも、この訳って苦労している人が多いみたいだね!次の説明を読んでみてよ!
でも、この訳って苦労している人が多いみたいだね!次の説明を読んでみてよ!
例えば・・・
てき→「て」=完了「つ」連用形+「き」=過去「き」終止形
のように、完了「~た」+過去「~た」の場合、
「~たった?」という風に、難しく考えてしまい、
訳し分けに苦労している姿をよく見かけます。
この時は、次のように訳して下さい。
「てき・にき」 →「~てしまった」
「てけり・にけり」→「~てしまった・~てしまったなあ」
小文君
「~てしまった」とか「~てしまったなあ」でいいんですね。
まさやん
そう!そうすると、さっきの訳はどうなるかな?
小文君
「手紙を書いてしまった」ですね!
まさやん
そう、それでいいよ!ただし、「~てけり・「~にけり」の時は、以下のポイントにも注意が必要だよ!
「~てき・~にき」の時の「き」は、「過去」の意味しかないから、
1パターンで良いのですが、
「~てけり・~にけり」の時の「けり」は、「過去」と「詠嘆」の意味があるので、
2パターン覚えておいて下さい。
小文君
なるほど。「けり」が本文中で「詠嘆」の意味になるのであれば、「~てしまったなあ」にしなければダメなんですね。
まさやん
そう!ちなみに「けり」が詠嘆の意味になるのは、どんなときだか覚えてるかい?
小文君
えっと、「会話文中・和歌中・なりけり」の時ですね!
まさやん
そうだね!しっかり判別できるようにね!!じゃあ今日はここまで!