国語の勉強方法を現代文、古文、漢文に分けて考えてみた

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現代文 評論読解方法ブログ

学校の先生や親から「勉強しなさい!!」って言われることありませんか?
でも正直なところ「勉強の仕方がわからない」っていう人がほとんどじゃないでしょうか?
勉強のやり方がわからなければ、「やれ!」って言われても無理ですよね?

だから今回は、『国語の勉強方法』をまとめておきたいと思います。
現代文、古文、漢文ごとに分けてまとめておくので、ぜひ参考にしてみてください!

現代文の勉強方法

現代文の勉強方法は、『知識』の分野と『読解』の分野に分かれます。

知識の分野

現代文 勉強方法
現代文における『知識』の分野は、漢字と語彙力です。
文章を読んでいても、読めない漢字があったり意味のわからない言葉が出てきてしまったりすると、読解どころじゃなくなりますよね?

そうなると前後関係がはっきりしなくなってしまい、文章が頭に入ってこないのではないでしょうか。だから知識はしっかりと身につけておきましょう!

漢字に関しては、学校で漢字の冊子が配られていると思います。
私が勤務している学校では、生徒に冊子を配り、その中から定期的に漢字テストを行い、定着をはかっています。
生徒を見ていると、みんな嫌々ながら勉強していますが、それが結果として知識になっていくんですよね~。

さて、語彙力は簡単には身に付きません。
文章の前後関係から意味を汲み取って判断しなければならないし、聞いたことがないような言葉が出てくることも多々あります。

例えば・・・

わたし個人の行動や思考のあり方を、人々一般のそれに敷衍することはかならずしもできないかもしれないが、あえて敷衍して考えてみると、人間の行動というのは、いかに保守的な物かと感じる。
(柏木博「システムが自己崩壊する日」)

どうですか?「敷衍」という言葉を知っていますか?というか読めますか?笑
「敷衍」は「ふえん」と読み、『ある考えをおしひろげて説明すること』です。

このように、語彙力があるかないかによって、文章が読めるかどうかが決まってしまいます。

語彙力を付けるには、書店の参考書コーナーに評論文を読解するためのキーワードを集めたものが置いてあると思うので、これを購入し、辞書代わりに使ったり日ごろから本を読むような感覚で目を通したりしておくと、いつのまにか頭の中に語彙力が蓄えられていきますよ!

ちなみに、当サイトのおすすめ参考書コーナーで紹介している『新入試評論文読解のキーワード300』は、大手予備校の先生が紹介していたのを聞いて買ってみたものです。

一つひとつ丁寧な解説が載っているので、「どれにしていいか決められない!」という方は、これを買っておけば間違いないでしょう。

読解の分野

次に『読解』の分野についてです。
現代文の読解方法は、「評論」「小説」「随筆」の各ジャンルに分けて考えましょう。

評論文の読解方法

現代文 評論読解方法
評論とは、筆者の意見や主張を論理に基づいて読者に伝える文章のことです。
でも、誰だか良くわからないオジサンの意見を押し付けられても、読んでいる側としてはすんなりと納得するわけには行きません。だから評論って読みにくいんですよ。

そこで筆者は、読者に納得してもらうために、何度も自分の主張を繰り返す必要があります。
でも、あからさまに繰り返されると、はっきり言ってウザイです。もういいから!!って言いたくなっちゃう。
だから筆者は自らの主張を、形を変えて繰り返してくるんです。

例えば、筆者の主張が「日本は素晴らしい」ということだとしましょう。

例えば、日本には四季があり春・夏・秋・冬と様々な季節を楽しむことが出来る。
(具体例)

以前読んだ夏目漱石の本にも、漱石が日本の素晴らしさを語っている場面があった。(引用)

なぜなら、アメリカを考えてほしい。アメリカでは銃の規制がなされていないため、銃による事件が起こる。しかし日本ではそういった事件が起こる可能性は低い。
(対比・比較)

このように、筆者は「具体例」「引用」「体験談」「対比・比較」などを用いて、自分の主張を形を変えて述べていき、これを読んだ読者が、「ああ、たしかにね!」と思ってもらえるような努力をしています。

さらに、現代文の読解すべてに共通するのが「指示語」と「接続詞」に注意することです。
「指示語」がどこを指しているのか明らかにすること、「接続詞」(特に「つまり」など)があったら、チェックを付けて注意して読み進めること、などです。

また、文章中の表現方法にも読みにくい点があり、その最たるものが「抽象的な表現」です。
抽象的な表現は、その作品内のみで通じる表現であり、我々読者は抽象的な表現を見つけたら、それを具体的に言い表している箇所を探す必要があります。

テストで問題になる部分の多くは、この抽象的な表現を具体的に言い換える部分ですね。
抽象的な箇所に線が引いてあって、「具体的な部分を探しなさい」といった問題です。

評論文の読解が苦手な人は、1つの文章をじっくりと丁寧に読む練習をしてください。
問題集を買ってきて、1つの文章に、たっぷりと時間をかけてかまわないので、じっくりと丁寧に読んでみてください。

「主張はどこかな?」
「あ、ここに具体例があった!」
「この指示語は何だろう?」
「お、『つまり』が来たぞ!!注意しなきゃ!」
「ん?この表現は抽象的だな・・・。具体的に言い表しているのはどこだろう??」

今まで述べてきたようなポイントに注意して、精読することをおすすめします。

小説文の読解方法

現代文 小説 読解方法
小説は、作者が自分の想像力によって創り出した虚構(フィクション)の世界です。
ここで大切なのは、登場人物がどのような人間であるのかをつかむことです。

小説を読み始めて、まず最初にやって欲しいのが、「いつ」「どこで」「誰が」「何をした」といった世界観を構成する要素を抑えましょう。
物語の場面設定を明らかにすることで、小説の世界観が頭に入って来やすくなります。

その後は、場面設定を踏まえ登場人物の心理の変化を追っていきましょう。
その際ポイントになるのが、「会話」「行動」「風景描写」などです。

登場人物の目にした風景が、どんよりとした曇り空だったら、きっとその時の心情はマイナスな心情ですよね。

このように、描かれている場面の状況を的確に抑えていくことで、小説の問題に取り組みやすくなります。

ただ、ここで絶対に覚えておいてほしいのが、「小説を読むことと読解することは違う」ということです。

普段皆さんが行っているのは小説を「読む」ことですよね。
主人公の気持ちになって考えてみたり、感情移入して読んだりすることが多いのではないでしょうか。でも国語では、小説を「読解」することが求められます。

しかし、小説の「読解」で出題される小説文は、小説全体の一部です。
その中から読み取れることについてのみ解答しなければなりません。

どういうことかというと、小説全体を通して読んでみると、善人だった主人公が紆余曲折を経て悪人になってしまう作品だったとしても、出題される場合は、主人公が善人だった場面だけかもしれません。

あくまでも出題される小説は、小説全体の一部だけであると心得ていてください。
その一部分しか読んでいないのに、感情移入して読んでしまうと誤読の可能性が高まります。

随筆文の読解方法

現代文 随筆 勉強方法
最後は随筆です。

随筆は、筆者が自分自身の見聞や体験に基づき自由に書き綴った文章のことです。
評論のように難しい言葉や、抽象的な議論は出てこないため、一見読みやすそうなんですが、論理的な文章ではないため、核心をつかみにくい文章でもあります。

なので、まずは筆者の動機をつかみましょう。なぜこの文章を書くに至ったのか。
きっかけとなった出来事や体験は何なのか。そして、筆者の感想をさがして主張(言いたいこと)を捉えましょう。

古文の勉強方法

古文 勉強方法
次に、古文の勉強方法についてです。
古文の学習方法はゴールから逆算していくと良いでしょう。

古文のゴールは、「古文の読解」です。
平安時代に書かれた作品を、現代の我々が読んで理解して、その後設問に答えていくわけですからね。文章を読めないことには始まりません。

では、どうすれば古文を読めるようになるのでしょうか?
それには、「単語力」「文法力」「古文常識力」の3つの力が必要になってきます。

単語力

まずは単語力を強化しましょう。
普段あなたが目にした文章を理解できるのは、その単語の意味をしっかりと理解しているからですよね?
当たり前すぎてピンと来ていないかもしれないので例をあげてみましょう。

例:今日は、学校帰りに図書館で勉強をする。

当然、意味わかりますよね?
でもそれがなぜかというと、あなたが「今日」「学校帰り」「図書館」「勉強」「する」という単語の意味を理解しているからです。
そしてそれらが助詞でつなぎ合わされ、1つの文になっているわけです。

そしてそれは古文でも同じです。

例:入道殿はいとひさしく見えさせたまはぬを、

「入道殿」「いと」「ひさし」「見ゆ」「たまふ」という単語の意味を理解していれば、文章を読める可能性が大いに広がります。

だから、単語はしっかり覚えてください。これは基礎です。しっかり覚えましょう。

と、こうやって言うと「覚えるのめんどくさーい!」って言うんですよ、みんな笑
でもね、古文で覚えておくべき単語って330程度だって言われてます。
一方で、英語で必要な単語は3000~5000程だそうです。

そう考えてみると、古文単語の方が楽じゃないですか?
これには楽な方法はありません。頑張って覚えましょう!

文法力

文法(特に助動詞)も単語と並んで重要なポイントです。
先ほどの例で考えてみましょう。

例:入道殿はいとひさしく見えさせたまは

この中の「させ」と「ぬ」が助動詞です。
「させ」は尊敬、「ぬ」は打消を表しており、訳すと「入道殿はたいそう長くお見えにならないので」となります。

もし単語力はあるけれども文法力がなかった場合、「尊敬」と「打消」の意味を文章に加えることができず、誤訳してしまう可能性が高まります。
「せっかく単語の意味はわかったのに訳せなかった・・・」となるのは悲しいですよね。

そのために、文法力も鍛えましょう!文法に関しては古文’s roomが皆さんのお役に立てるよう頑張っています。
動画をじっくり丁寧に見ていくことで、文法力は向上します。本当です。

それは今までの卒業生が証拠です。私が授業で文法を教えてきた生徒は、きちんと理解してくれました。
「先生に言われて文法をまじめに勉強したら、文章読めるようになってきた!」というありがたい言葉ももらいました。

古典文法、一緒に頑張りましょう!

古文常識力

いきなりですが問題です。平安時代の結婚とはどのようなものでしょうか?

・・・

・・・

・・・

答えは、男性が女性の元に3日間連続で通うことで結婚が成立します。

こういった知識のことを、「古文常識」といいます。
当時の常識は今とは違ったものが多いので、そういった知識も文章を読む上では必要です。

「古文常識」も参考書コーナーに数多くの冊子が置かれているので、一度見に行ってみると良いでしょう。
おすすめ参考書のページにも載せてあるので、気になった方は見てみてください。
おすすめ参考書

漢文の勉強方法

漢文 勉強方法
最後は漢文です。
漢文については、返り点や再読文字の書き下し方法など基本的なことは省略します。
これらは高校で最初に学ぶ事項ですので、もしまだあいまいな人はしっかり抑えておいて下さい。

このような基礎的な部分を省いて皆さんがすべきことは「句法(句形)」と「語彙力」の強化です。

句法(句形)

漢文には、「この形が来たらこういった意味になる」というルールが存在します。
それが「句法(句形)」です。古文の文法みたいなものと思ってもらえればOKです。

語彙力

これは、漢文における単語のようなもので、次のようなものがあります。読み方と意味を答えてみてください。

例:故人

これ、「こじん」で「亡くなった人」・・・ではありませんよ!?
読み方は「とも」で意味は「古くからの友人」です。

ほらね?こういうのも知らないと読めません。
「亡くなった人」と「古くからの友人」ではまったく違いますよね?
語彙力を強化していくことも、漢文において大事な要素となってきます。

ではどうやって覚えていくのか。漢文の場合は人それぞれやり方があるようなんですが、私が受験をしたときは参考書に頼りました。(田中雄二氏の『漢文早覚え速答法』)
上で述べた「句法(句形)」や「語彙力」を強化するのにピッタリでした。私はこれ以外使っていません。

まとめ

勉強をしようと思っても、何から手を付けていいのかわからなかったり、どうやって勉強したらいいのかわからなかったりする人のために、勉強方法をまとめておきました。
これらは、普段私が生徒に言っていることと同じです。
3年生の夏休み明けに話したら、「もっと早く言ってよ!」と言われたこともありました笑

だからここにまとめておきます。
ここを見た日があなたにとってのスタートです!!
ぜひ苦手な国語を得意科目に、得意な国語を超得意科目にしてみてください!

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