オススメ勉強法についての話、第三弾です。そして今回がラストです。
前回までの記事を読んでいない方は以下からどうぞ。
パターンを覚えよ!
将棋やチェスをする人は、試合中に数十手先まで読んで対局(チェスも対局?)しているといいます。
アメリカで行われた実験で、チェスを行う人を集め盤面を記憶する能力を調べた実験があります。
ゲームの途中における盤面や、駒をランダムに並べた盤面を10秒だけ見てもらい、駒の配置を覚えてもらうという実験です。
その結果、ゲーム途中の盤面を覚えてもらった場合、チェスの腕前が高い人ほど正確に駒の配置を記憶していました。
ところが、駒をランダムに並べた盤面の場合、チェスの上手い下手に関わらず数個しか覚えられませんでした。
この結果からわかることは、駒の配置にパターン性(試合中に動くであろう配置など)がある場合は覚えられるものの、パターンが全く無い場合はほとんど覚えられないということです。
数学の得点率がUP
実はこのパターンを覚えるという動作は、知らず知らずのうちに数学が得意な人が行っていることが最近の研究でわかりました。
数学が得意な人は、「この問題は、あのパターンだな」「この問題を解く場合は、あそこに線を引いて考えれば良いんだな」という問題の解き方が自然と頭に浮かぶそうです。
実際、一次関数に関して参考書を使って学ぶ通常の学習法と、一次関数に関する色々なパターンを目で見たり記憶したりして学ぶ学習法を比較した実験を行ったところ、後者の学習法のほうがテストの得点率が高いことがわかりました。
パターン記憶法のやり方
数学の問題を見た時、その問題を解くにはどのようなどのような方法を使えば良いのか1分間考えてみてください。
その際、答えを導き出す必要はありません。解き方を頭で考えるだけでOKです。
で、方法がわかったら答えを見て、本当にその解き方で良いのか確認してください。
古典文法にも応用できそう
この実験は、数学に関してのみの記述だったんですが、読んでみて思ったのは「古典の文法問題にも応用できそうだな・・・」ということ。
古典文法の問題もほぼパターン化されてますからね。
文末の活用形を聞かれている→係り結びの可能性
「ぬ」の識別→接続では判断できない問題で、「ぬ」の活用形から判断する問題
「の」の意味→主格や同格といった意味を答える問題か、同じ用法のものを探す問題
ざっくりですけどこんな感じですかね。
これも、文法問題を見て1分間解き方を考える方法で、頭に入ってきそうです。
系列位置効果をうまく活用
さて、次は単語の暗記などに使える学習法です。
まず質問です。みなさんが使っている古文単語や英単語の冊子に出てくる1番最初の単語は何ですか?
私は学生時代、英単語を覚えるのにDUO3.0という問題集を使っていたんですが、その冊子の1番最初は「We must respect the will of the individual.」という文でした。
このように、最初の部分って他の部分よりも覚えていたりしませんか?
逆に、真ん中あたりはなかなか思い出せなかったりする・・・。
このような順番の効果を「系列位置効果」と呼び、100年以上前にすでに報告があったそうです。
我々は、最初や最後に位置するものは覚えやすいという特性があるみたいです。
この効果をうまく活用して、覚えやすくなる勉強法をお教えしましょう。
1回の勉強時間を細かく分けて回数を増やす
1回1回の勉強時間を短くして細かく学習することで、毎回違った最初と最後が出てきますよね?
例えば、1〜30を覚える!と言う時に、1回に1〜30までやるのではなく、1〜10やって休憩、11〜20やって休憩という風にやるということです。
自分が覚えたいことやミスしてしまった事を勉強の最初と最後に持ってくる
意識的に、覚えるべきことを最初と最後に持ってくることで、覚えやすくするというやり方です。
毎回順番を変えて勉強する
新しいことを勉強する場合や、復習しなければいけない場合は毎回勉強する順番を変えてみましょう。
例えば、1〜10まで勉強しなければいけない時、毎回同じ順番で勉強していると、1と10だけ覚えてしまいます。
だから、1〜10の順番で勉強したら、次は2から始めて1を最後に勉強するなど工夫してみましょう。
まとめ
今回は、パターンを覚えるやり方と暗記すべき事の順番を意識して勉強するという方法でした。
とくに、系列位置効果に関しては、日々の生活で実感していると思います。
クラスで出席番号が一番最初の人と最後の人はだれ?となると、結構言えたりするんじゃないですかね?
人間の暗記スタイルを意識して、効果的な配置で暗記していきましょう。
【参考文献】
勉強法①・②はこちらからどうぞ
https://kobunsroom.com/benkyouhou-1/
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