さあ今回なんですけれども、完了の助動詞「つ・ぬ」をやっていきたいと思います!
この助動詞、ちょっとクセのあるやつで「完了」以外の「強意」がまたややこしい!
なのでみなさん、今回は少し長くなりますが付いてきてください!
完了の助動詞「つ・ぬ」
活用
つ
て/て/つ/つる/つれ/てよ
ぬ
な/に/ぬ/ぬる/ぬれ/ね
接続
連用形
意味と訳し方
完了=「〜た、〜てしまった」
強意(確述)=「きっと〜、必ず〜」
並列=「〜たり〜たり」
他に意味があるのにどうして「完了」の助動詞?
さあ今日は完了の助動詞「つ・ぬ」をやっていくよ!
先生、質問です!
「けり」の時にも思ったんですけど、「完了」以外にも意味があるのに、どうして「完了」の助動詞って言うんですか?「けり」も、「過去」以外に「詠嘆」もあるのに、「過去」の助動詞って言ってたし・・・
たしかに「つ・ぬ」や「けり」には、「完了」や「過去」以外にも意味があります。
それなのに、なぜ「完了・強意・並列」の助動詞、「過去・詠嘆」の助動詞と言わないのでしょうか?
そうだな〜。じゃあ例えば、あそこに見える「パン屋」では、「パン」以外にもモノを売っているよね?
はい、「パン」以外にも「牛乳」や「ジャム」なども売っていますね。
そうだよね。でも、だからといって、「あそこのパン・牛乳・ジャム屋に行ってきたよ!」とは言わないでしょ?
実は、助動詞もこれと同じことなんだよ。
つまり、代表的なものをメインに言うってことなんですか?
そのとおり。助動詞「つ・ぬ」では、代表的な意味が「完了」だから、我々は便宜上「完了」の助動詞って呼んでいるんだ。毎回、全部の意味を言うのは大変だからね。
そういうことなんですね・・・。納得しました!
今後も複数の意味を持つのに、1つしか意味を言わなかったら、それが代表的な意味なんだな〜って思ってくれればOKだよ!
「強意」の意味になる確述用法とは?
代表的な意味が「完了」なので、ここからはそれ以外の意味になるのはどんな時なのかに絞って見ていくよ!まずは「強意」になる時の話だ。
完了の助動詞「つ・ぬ」が「強意」になるのは、うしろに「推量」の意味を持つ助動詞がくっついた時
この時、「完了」の助動詞は「強意」の意味になる。
そしてこの形を、「確述用法」と呼ぶんだ。
訳し方は「きっと〜、必ず〜」でいいんですか?
そうだね!ただ無理やり当てはめようとすると不自然な訳になってしまうから、「強意」だということがわかるような訳にしてあげればOKだよ!
学校のテストで多いのは、助動詞の意味を聞かれる問題。その時、きちんと「強意」と答えられれば大丈夫です!
よく出る確述用法の形
この確述用法には、古文に出てくる定番の形があるんだ。それを覚えておくと、出てきたときに気づきやすいから、次の8つは暗記しておこう!
- てむ
- なむ
- つらむ
- ぬらむ
- つべし
- ぬべし
- てまし
- なまし
(マーカーの部分が「強意」、「む・らむ・べし・まし」は推量の意味を持つ助動詞)
「並列」の意味になるのは?
「並列」の意味になるのは、終止形が2回繰り返された形の時だよ。例えば・・・
浮きぬ、沈みぬ。
みたいな感じだね!
なるほど!これは見つけやすいかも!
「完了」+「過去」の訳し方とは?
最
後は、意外と訳しにくい「完了」+「過去」の訳し方だよ!
それぞれの訳し方は「完了」が「〜た」、「過去」も「〜た」だよね?さあ、どう訳そうか?
う〜ん、「〜したった」笑
ね、難しいでしょ笑
これも、定番の訳し方を覚えておこう!
てき・にき=「〜てしまった」
てけり・にけり=「〜てしまった(なあ)」
「けり」は「詠嘆」の意味になる場合があるので、もし「詠嘆」だったら(なあ)をつけて訳すことを忘れないように!
まとめ
以上、完了の助動詞「つ・ぬ」でした。
確述用法と、「完了+過去」はきちんと覚えておきましょう。
結構、古典の作品や入試で見かけるポイントですよ!
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