みなさんこんにちは!
今回は、推定の助動詞「らし・めり・なり」をやっていきましょう!
そもそも、「推量」と「推定」の違いってなんなんでしょう?
助動詞に入る前に、まずはそこから考えてみます。
「推定」と「推量」の違い
今日は「推定」の助動詞を扱っていくよ!
先生、今回扱う「推定」と、今まで出てきた「推量」の違いって何ですか?
両者の違いは、以下のようにまとめることが出来るんだよ。
推量(推し量る)…根拠が弱い
推定(推し定める)…根拠が強い
例えば、『名探偵コナン』などの作品に、「死亡推定時刻は・・・」なんていう言葉が出てくるよね?でも、「死亡推量時刻」っていうのは出てこないでしょ?
たしかに!何でですか?
それは様々な根拠を用いて、死亡時刻を「推定」しているからだよ。被害者の状態を判断して、時刻を割り出しているから、きちんとした「根拠」があるんだ。
なるほど。「推定」には「根拠」が大切になってくるっていうことなんですね。
これから扱っていく推定の助動詞では、根拠が大切になってきます。
「本文中のどこに根拠があるのか?」「どうしてこの助動詞になるのか?」など、作品全体を通じて根拠に目を向けるようにしてください。
「らし・めり・なり」の根拠の違い
じゃあ、さっそく助動詞を見ていこう。今回は「らし・めり・なり」の3つの助動詞だよ。これらの助動詞は、全て「推定」の意味を持っているんだ。
ということは全ての助動詞が、何を「根拠」にしているのか考えなきゃいけないってことですね。
そのとおり。これら3つの助動詞は、以下の根拠がカギになってくるよ!
らし…客観的根拠
めり…視覚的根拠
なり…聴覚的根拠
この中の「めり」は、語源が「見+あり」だから視覚が根拠、「なり」は、語源が「音(ね)+あり」だから聴覚が根拠になるんだよ。
語源からアプローチしていくとわかりやすいんですね!
そうだね!特に「なり」は、他の助動詞でも「なり」があるので、語源をしっかり覚えておこう!
助動詞「らし」
活用
○/○/らし/らし/らし/○
接続
終止形
(ただし、ラ変型は連体形)
意味と訳し方
推定=「〜らしい」
助動詞「らし」は、ほとんど和歌で用いられるよ!例えば・・・
み吉野の山の白雪つもるらし 古里さむくなりまさるなり
この場合、「らし」の入っている上の句が「推定」で、下の句が「根拠」になっているよ!
助動詞「めり」
活用
○/(めり)/めり/める/めれ/○
接続
終止形
(ただし、ラ変型は連体形)
意味と訳し方
推定=「(見たところ)〜ようだ」
婉曲=「〜ようだ」
意味は、訳して見分けるのがいいかな!また、「推定」の意味になるときは、何かを「見ている」はずだから、それを本文中から探してみてね!
助動詞「なり」
活用
○/(なり)/なり/なる/なれ/○
接続
終止形
(ただし、ラ変型は連体形)
意味と訳し方
推定=「〜ようだ」
伝聞=「〜そうだ、〜ということだ」
「なり」という助動詞は、断定の助動詞でも「なり」があるので、必ず語源を覚えておいてね!「なり」の語源は「音(ね)+あり」だよ!
「推定」と「伝聞」の見分け方
推定の助動詞「なり」なんだけど、意味を見分ける際によく用いられるある方法があるんだ。以下を見てほしい。
文中に「音」を表す語句がある…推定
文中に「音」を表す語句がない…伝聞
「音」のあるなしで判断するんですか。
語源が「音+あり」だからね。音に関わりがあるかどうかを、本文中から探してみよう!
まとめ
今回は、3つの助動詞をお伝えしました。
それぞれ「推定」の助動詞なのですが、「根拠」が違います。
それぞれの「根拠」に目を向けて、意味を考えていきましょう!
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